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ボーパルバニー3

無情に響くカウントの声。
俺はロープを掴み必死に立ち上がろうとするが身体は全く言う事を聞かなかっ
た。
何とか、上半身を起こしたもののそこで試合終了のゴングが鳴り響く。
俺はロープに腕を絡め何とか上半身を支えながら呟いた
「強い…強すぎる…」
しかし、それはゴングの残滓に阻まれ彼女には届かなかったようだ。
そしてゴングの残滓が消えると同時に彼女の声が俺の耳朶を打つ。
「ヘビー級相手のスリル…堪らないなぁ、すっごく楽しかった!」
その言葉に俺の脳裏に彼女との闘いがリプレイされる。
俺のパンチがあたれば一発でKOが確実な華奢な身体。しかし、その身体は俺の
パンチでは到底、追いつかないフットワークで動き回っていた。ハイヒールで
あるにも関わらずだ。
彼女の回避行動は巧みと言うよりは完璧そのものだった。
俺の視線、筋肉の動き、重心移動、その他諸々の情報から確実に俺のパンチを
見切っていたとしか考えられない。
そして、その回避行動から的確なカウンターを決め、余裕があればコンビネー
ションを叩き込んでくる技倆。
ジャブで間合いを計り、ストレート、フック、アッパーを的確に使い分け上下
へと揺さ振りをかけ着実に脳を揺さ振り内臓を抉り、俺の体力を奪っていく。
パンチそのものは俺を一撃でKO出来る程の威力は無かったが寸分も違うこと
なく俺の急所を鋭く捉え、決してラッキーパンチなどあり得ないと俺に訴えか
けていた。
やがて、俺は彼女のパンチに耐えきれずダウンを喫した。
そして、そのパンチは俺が立ち上がれないほどに俺を蝕んでいた事を思い知ら
されている。
更にボクサーとしてとしての資質は彼女の方が遥かに上である事も同時に思い
知らされた。
もし、彼女がリングシューズを履いていたなら、間違いなくこの勝負はもっと
早くついていただろう。
俺は観客へ向け片手を上げてアピールする彼女の背中を見上げる。
その背中は俺には眩しすぎるものを背負っていた。

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