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GateKeeper

 とある高級クラブの前で一組の男女が口論をしていた。
 男の服装はニット帽を被りその下から伸び放題の脱色した髪の毛があちこちに跳
ねている。上半身はTシャツの上からパーカーを羽織り、腰から下はカーゴパンツ
にワークブーツと言った出で立ちで、明らかにこの店には似つかわしくない。
「当店は会員制となっておりますので、初めての方は当店オーナーからの招待状が
必要となります」
 冷静に、しかし無機質にも感情的にもならず戸口に立つ黒のベストとスラックス
姿の女が男を応対する。ねじり上げた後ろ髪を飾り気のない、それでいて野暮には
ならない程度の髪留めで留めた髪型とパンツルックが相まって仕事をそつなくこな
す女と言った印象である。
 また、常連客の中にはこの店のホストガールよりも彼女に接客して欲しいと言う
声も少なくないほど、整った顔立ちをしていた。しかし、彼女はそんな声に流され
ず常にこの店の戸口に立ち受付嬢を続けている。

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ラウンドガール

俺はハイヒールの……しかもサンダルを履いたままの女に完全に……しかもリング中央で追い詰められていた。
無敗のチャンプと呼ばれていた俺の防衛戦に現れた挑戦者、それは黒い衣装に身を包んだラウンドガールだった。
女が俺の前に立った時は何かの余興かと思った。
俺はお遊び気分で軽いパンチを繰り出しわざと女に躱させている……つもりだった。
しかし、女が放つノーモーションの鋭く重い、漆黒の弾丸のような右ストレートを食らってそんな気分も消し飛んだ。
次々と本気でパンチを繰り出していく、俺。
しかし、そんなパンチは女に尽く躱され、錐を突き刺されるような反撃のジャブを喰らい続ける。
この状況を打開しなければ……そう思い間合いを取り仕切り直そうとするが女のフットワークはそれを上回りあっさりと食らいついてくる。
俺に致命傷と言えるダメージは全くない。
しかし、女の卓越したディフェンスと舞うが如きフットワーク、そして何時繰り出されたのか分からないジャブの前に実力差を思い知らされていた。
そして、遂に俺に最期の時が訪れることになった。
万策尽いてただ、立ち尽くす俺に向かい低い姿勢で踏み込んでくる女、迎撃しようにも逃げようにも既に間に合わない。
次の瞬間、俺の腹筋へ女の右ボディアッパーが突き刺さる。
幾多の挑戦者の攻撃を防いできた俺の鎧をまるで紙を突き破るかのように女の拳が貫いた。
「痛い?苦しい?それとも……気持ちいい?」
女は俺の鳩尾に突き立てた拳を更に押し込み、俺の内蔵をその拳で蹂躙し貪り食いながら問いかけてきた。
「ぐぶッ――!お……ぐ……ッ……ぅ」
俺は女への返事の代わりに肺の空気全てと唾液にまみれたマウスピースを吐き出した。
膝から力が抜け、俺は崩れ落ちる。
しかし、女はまだその拳を納めていなかった。
俺は腹部へと女の拳が更に食い込んでいく感触の中、意識を手放した。

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