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ラブリーダンスは死の舞踏

 俺は第2ラウンド開始直後から押され続けていた。
 対戦相手は双葉理保と名乗るグラビアガール。ハイスクールの坊主どもに媚
態を晒して小遣いを稼いでる小娘だ。
 信じられない事にそんな小娘がボクシングをやっていると言い、俺に挑戦状
を叩きつけてきた。
 グラビアガールが何を意気がって俺に挑戦してくるのか、ふざけるな。徹底
的に叩きのめして二度と人前に立てないよう綺麗な顔を潰してやる。
 俺はそう思い挑戦を受け、いつも以上に入念な調整をしてから俺はリングに
立った。
 眼の前に立つグラビアガールの理保が俺に向かい笑いかけてくる。そして、
俺もその笑いに応えた。俺の拳がその顔をグチャグチャにし、泣きながら許し
を乞う様子を想像しながら。
 やがて試合開始のゴングが鳴る。俺は無造作に近付き大振りの右フックを繰
り出した。それでこのクソ生意気な女は怯え、俺の好きなようにできる……は
ずだった。
 実際のところは理保の左ジャブで止められた。それも、ただのジャブではな
い。腕を鞭の様にしならせ、鋭く俺を切り裂くようなジャブ。
 俺を止めるためではない、カウンターで仕留めようと放たれたジャブだった。
 俺の背筋に氷の剣を突き刺されたような冷たさが走る。更に俺はパンチを貰
い身体が麻痺した時以上に動けないでいたようだ。
 そんな俺を現実に引き戻したのは理保の右フックによる頬から脳へと突き抜
ける衝撃だった。
 そこで俺は直ぐ様、戦闘態勢へと戻った。理保の上半身を見据え次の攻撃に
備える。
 次々と襲い来る理保のパンチ。俺はそれを防御し躱そうと試みたが理保のパ
ンチは早く鋭く俺を抉り切り裂く。
 俺を1発2発で致命的な状態に追い込むほどの重さはない。しかし、着実に
俺を追い詰めてるには十分なパンチを右から左から上下に揺さぶりコンビネー
ションを打ち込んでくる理保。
 勿論、俺はその合間に反撃を試みたがパーリングであっさりと軌道をそらさ
れる。それは理保の俺のパンチなど躱す必要もないと言うアピールだった。
 俺は全く良い所がないまま第1ラウンドを終えた。だが、諦めたわけではな
い。俺のパンチが一発でも当たれば逆転できる、俺はそう信じていた。
 そして、第2ラウンドが開始されると俺の考えは完全に間違いであることを
思い知らされた。
 理保は開始直後から次々とパンチを繰り出し圧力をかけてくる。そのパンチ
は1ラウンドの時より鋭く激しく俺を切り刻んでいった。
 脳を揺さぶり、内臓を抉りかき回す理保のパンチの前に俺はなすすべなく晒
されサンドバッグ代わりにされ続けている。
 一方的に嬲り徹底的に虐め抜くつもりだった俺が逆に理保に嬲られ傷めつけ
らいじめ抜かれていた。
 もう終わりにしてくれ……そう思った俺は背中にロープの感触を感じる。そ
こで理保のラッシュが一層、激しさを増した。
 その激しさに俺はやっと開放されるという安堵感の中、全身から力が抜け意
識を失った。

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