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ボーパルバニー

俺は3分を無限とも言える長さに感じたのは初めてだった。
試合開始早々、折られた鼻から流れる血が喉に絡みつき呼吸は乱され、右の目
蓋は腫れ上がり視界が塞がれている。
更には左目に時折、血が流れ込み視界を朱に染めた。
世界王者の防衛戦。それが今日の俺の試合の筈だった。
だが突然、バニー姿のラウンドガールと闘う羽目になり、相手のパンチでもか
わして遊んでいれば良いと軽々しく受けた結果がこの様だった。
バニーガールのパンチは俺の攻撃の隙や防御の虚を突き、的確に急所を捉え、
最も力の乗った瞬間に確実にインパクトしてきた。
俺は散々、脳を揺さぶられ、内臓も抉られ満身創痍だった。
鍛えられた腕は既に重荷と化し構えるのがやっとという状態だ。勿論、膝も震
え移動もままならず立っているのが奇跡だと感じている。
しかし、バニーガールの猛攻は治るどころか激しさを増し俺をサンドバッグの
様に様々なコンビネーションを駆使し打ち据え続ける。
そんな俺のぼやけた視界に巨大な電光掲示板の残り時間が飛び込んでくる。
残り時間、10秒。俺は恥も外聞もなくもうすぐこの地獄から解放されると喜
び勇んだ。
「もう終り~?それじゃ、これで止め!」
バーニーガールがそう言いウィンクすると同時にその右手が閃いた。黒い閃光
が俺の顔面を襲う。
激しい爆裂音が響き渡ると同時にバニーガールの拳が俺の顔を剥ぎ取るのでは
無いかと錯覚させるほどにねじ込まれる。
俺は浮遊感を味わいながら含んでいたマウスピースがカクテル色のライトに照
らされ宙を舞う様とバニーガールが放ったコークスクリューブローのフォーム
を目に焼き付けコーナーポストに叩き付けられてから、そのまま崩れ落ちた。
「今日の防衛戦、代わりにしておいてあげるね」
薄れ行く意識の中、俺の耳にバニーガールの言葉とゴングが響き渡る。
今日の挑戦者のボクシングもバニーガールの前には俺のそれと同様児戯にも等
しい。
俺はその言葉が実現する様に、そして、この屈辱を分かち合える男が現れる事
を心底願った。

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